仙豆

 高校生の頃の正月、田舎に親戚同士集まったんだけど、退屈だった俺はいとこの純くん(仮名/当時小学一年生くらい/ドラゴンボール大好き)を呼んで
「純くん、これあげるわ。仙豆。絶体絶命のときに食べるんやで」
と言って、ただの空豆をひとつあげた。
「おおおお。仙豆!」
と、いいリアクションで受け取った純くん、いきなりダッシュで家を出て、全速力で裏山を登って降りて戻って来た。
 ぜえぜえと息を切らしながらひと言。
「もう仙豆食べていい?」


 それが君の絶体絶命か。