子どもの頃、自分の頭が人より大きいことを悩んでいたら、心配した父が声をかけてくれた。 「わしも子どもの頃は頭大きい言うてからかわれたよ。『過分数』ってあだ名つけられてのう」 慰めになってない。

学生時代にバイトしてた喫茶店の店長が、ちょっとずれた熱血タイプの人だった。 「お客様がコーヒーをブラックでお飲みになっていたら、それを覚えておいて、次に来られたときはミルクは出さないのが良い接客だ」 とその店長が説教をぶっているときに、同僚…

中学生の頃、外をボーっと歩いていたら、同じ中学生くらいのヤンキーぽい男が自転車ですれ違いざまに 「どけ、メガネ！」 と捨てゼリフを吐いて行ってしまった。 そのときの俺の心境。 「デブって言われなくてよかった…」 何ホッとしてんだ。

俺と弟は二人とも帝王切開で生まれたので、小さい頃、赤ちゃんはみんなそうやって生まれてくるものだと思っていた。 ある日、近々弟か妹が生まれる予定の友達に、知ったかぶって 「知ってる？ 知ってる？ 赤ちゃんってお母さんのお腹をハサミで切って出てく…

中学生の頃、空いた風邪薬の瓶の中につまようじが入っているのを見つけた。 「あー、出前とかについてくる箸袋に入ってるつまようじ入れてるんや。おかん、頭いいね」 と感心してたら 「何言うてんの。こないだあんたが夜中に起きだして薬瓶持って来て、『こ…

大学に入ったばかりのとき、授業で隣に座った同級生と話してたら、俺のことを「ふうさん」とさん付けで呼ぶので、初対面とはいえ同い年なんだから 「さん付けなんかしなくていいよ」 と言ったら 「わかった、ふうちゃん」 いきなりちゃん付け？

子供の頃、近所のお祭りに行った帰りにコンビニで買い物をしてレジしてもらってるとき、自分の手に金魚すくいで取った金魚をぶらさげていることに気がついた。 「あの、あの、これは外でもらったんです。お祭りで取ったんです」 そりゃコンビニに金魚は売っ…

子供の頃、父の誕生日に母にそそのかされて禁煙パイポをプレゼントしたことがあるんだけど、父はそのことを未だに 「考えてみい。ふうは誕生日に参考書プレゼントされてうれしいか」 と根に持って言ってくる。 俺が悪かった、いい加減忘れてよ。

母から聞いた話。 小学校に上がる前くらいの頃、俺が家中のタンスや机の引き出しを開けて探し回ってるので、不思議に思った母が 「何探してるの？」 と聞いたら 「こないだ出した懸賞の賞品、まだ来てへんかなあ？」 懸賞の賞品は、いつの間にかタンスとか机…

大学4回生のとき、友達数人と国内だけど卒業旅行することになったんだけど、宿の手配をする係になった友人から電話があった。 「ごめん、なかなかホテル空いてなくてさあ。二人部屋なら何とかなるんやけど」 「そっかー。シーズンやからしゃーないなあ。値段…

残っている記憶の中で一番古いものは、3歳くらいのときに急に高熱を出して、母におんぶして病院に連れて行ってもらったことだと思う。 俺は幼児の割にでかい図体できっと重かっただろうに、交通事故の後遺症がある足を引きずりながら、離れた場所にある病院…

高校時代、クラスで一二を争うモテ男だったYくんが、同級生のSくんに講釈していた。 「お前顔悪くないんじゃけえ、『歩くときに下を向かんと前を見る』、『口を半開きにせんとピシッと閉める』の二つだけ守ったら結構モテると思うで」 隣で聞いてて、なるほ…

小学生の頃、歯医者に行って緊張しながら歯を診てもらい、 「はい、もういいよー。うがいしてくださいね」 と先生に言われ、 「ちゃんと毎日うがいしてますっ！」 とキレてしまった。 「そうかあ、えらいねえ。今もこれでうがいしてね」 優しいのが余計に恥…

大学生のとき、友達がうちのアパートに泊まりに来たんだけど、そろそろ寝ようかという頃になってボソッと 「俺、寝るときトランクスの中にTシャツ入れるタイプやけどいい？」 と聞いてきた。 なぜ俺の許可を求める。

その昔、 「西区で一番きれいだよ」 と褒めたら何故かフラれたことがある。

高校時代、一番怖かった先生は、体罰体育教師でも、生活指導のサド教師でも、セクハラオンパレード変態数学教師でもなく、定年を過ぎて嘱託で物理を教えてくれてたS先生だった。 総白髪でよろよろと歩き、もぞもぞと口の中でしゃべる、いかにもおじいちゃん…

高校生の頃の正月、田舎に親戚同士集まったんだけど、退屈だった俺はいとこの純くん（仮名／当時小学一年生くらい／ドラゴンボール大好き）を呼んで 「純くん、これあげるわ。仙豆。絶体絶命のときに食べるんやで」 と言って、ただの空豆をひとつあげた。 「…

大学生の頃のある夏の日、一人暮らしの部屋に友達が遊びに来たとき、 「夜勤のバイトあるから2時間経ったら起こして」 と頼んで仮眠をとったんだけど、寒気を感じて目を覚ますと遅刻ギリギリの時間。 「なんで起こしてくれへんの」 「ずっと扇風機向けてたら…

小学5年生のときに席替えがあり、小デブの俺と大デブのAくんに挟まれたガリのSくんが、友達に 「オセロだな」 って言われて泣き出した。 泣きたいのは俺とAくんだろ。

高校生の頃、風邪で一日休んだら、勝手に「文化祭実行委員」とやらに任命されてしまっていた。 「えー、なんで俺？」 「なんか文化な香りがするから…」 せめてもうちょっとましな理由考えといてくれ。

弟が小学三年の頃、家で鬼ごっこをしてるときに、友達が急に開けたドアのノブに頭をぶつけて大きなタンコブを作ったことがある。 弟「あんときは痛かったわー。未だに忘れられん」 兄「そんときの友達って俺の友達やったっけ」 弟「そうそう。兄貴の同級生と…

高校生の頃、父の会社に人手が足りなくて何度か手伝いに行ったことがあるんだけど、あるときそこの社員のおじさんに 「ふうくん、ちょっと相談があるんじゃけど」 と言われた。 「わしの（中学生の）息子が学校でイジメにおうとるらしいんよ。どうすればいい…

小学生の頃。弟がスーパーへ晩ご飯の鶏の唐揚げの材料を母に頼まれて買いに行って帰ってきた。 「お母さーん、鶏のスネ肉はないって言われたよ」 鶏のスネには肉無いだろ。

俺が通っていた小学校はプールが外から丸見えで、しかも自宅が近かったので、俺が小学生になって初めての夏に母が 「ふうが泳いでるとこ応援してあげるね。」 と言ってくれた。今思うといい母親だ。 実際に俺が見せたのは、水に入るのが怖くてゲロ吐いて見学…

小さかった頃、休みの日に母がよくデパートに連れて行ってくれた。 ある日の帰り、バスターミナルで母に 「あっちの青いバスに乗っちゃいけないの？」 と聞くと、母は 「あのバスに乗ったら帰れないよ。」 と答えていつもの赤いバスに乗らされた。 それから…

来年小学校にあがる年齢の頃、親にせがんで雑誌の「小学1年生」を買ってもらった。 次の日幼稚園の友達に、 「昨日『小学1年生』買ってもらったんでー。すごいじゃろー。」 と自慢して、家に帰って読ませてあげた。 自慢する要素どこだよ。