冤罪

 ドアを開けて目に飛び込んできたのは、この世のものとは思えない凄惨な情景だった。
 目の前にあるものが信じられず、呆然と立ち尽くしていたが、ふと我に返り自らも危険な状況にあることに思いが至った。

 こんなところを誰かに見られでもしたら…。

 慌ててその場を立ち去ろうとしたそのとき、間の悪いことにドアが開いて男が入ってきた。
「ん?おまえ、何してるんだ。」
 青ざめて目が泳いでいる俺を、男は不審そうに見つめている。
「ち、違うんだ。俺じゃない!俺が来たときにはもう…。」
「おい!どこへ行く!待て!」
 まずいことはわかりきっていたが、動揺していた俺は男を押し退けて走り去ってしまっていた。


 さっきトイレに入ったら、前の人のウンコが流されないまま残っていたので他のトイレに行こうと思って出ようとすると、たまたま入れ違いに人が入っていったときの状況を火サス風に表現してみた。
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