ふたつのケーキ

 仕事を終えて、うちに帰ったら、冷蔵庫の中にカップケーキがふたつ入っていた。確かこれは、先日、彼女が
『ふたつ一緒に食べてね』
と言って置いて行った分だな、と思い出して、一度にふたつも食べちゃっていいのかぁと思いながらむしゃむしゃ食べた。
 次の日俺の仕事中に家に寄った彼女から怒りのメールが。
「『ふたり一緒に食べようね』って言ったのに、ケーキなくなってる!」


 我ながら何と都合のいい記憶の改竄。