忍者

 ネットなどで「電車の窓の外で猛スピードで併走する忍者を空想する」という遊びのことをよく目や耳にする。今までやったことがなかったんだけど、おもしろそうなので通勤電車の中で試してみることにした。
 ところが、初めこそ一応忍者らしく、走ったり屋根づたいにぴょんぴょん跳ねて付いて来ていたんだけど、1分もしないうちにぜえぜえと息を切らしてだらだら歩くようになり、あっという間に電車に置いて行かれてしまった。
 自分自信のやる気のなさを見せつけられたような気がして、ますます気が滅入る。子供の頃に試していたら、もっとシャキシャキ走っていたのだろうか。
「つまんない大人になったってことなんかなぁ」
「つまんない大人はそんな遊びしないよ」